バルバトスの魂 三日月の罪
鉄血のオルフェンズ35話 目覚めし厄祭
ずっと違和感があったのですが、なぜ厄災ではなく「厄祭」なのという言葉なのか
という事。
それが今回の話で納得出来ました。
オルガ達が採掘場から発掘した謎の機体は300年前の厄祭戦時に数億人という人命を奪い、文明を滅ぼした巨大兵器モビルアーマー「ハシュマル」
マクギリスの説明によると
「パイロットを必要とせず、自分で考え自動で戦う。だからこそ奴は躊躇いなく街を壊し人を殺戮する事が出来る」
という人口知能を搭載した無人機でした。
衝撃的な事実でしたが、「奴は躊躇いなく街を破壊し人を殺戮する事が出来る」という台詞に対してオルガが苦いような表情をしたシーンも切なかったです。
鉄血のオルフェンズは一話、一話の演出が本当に細かいですね。
それなら自分達は「機械」なのか?と、実際三日月はバルバトスと一体化し殺戮しています。
やってる行為自体は同じなのにどこが違うのか?と問われれば「魂」があるかないかだと思いました。
かつてバルバトスの宿敵であったモビルアーマーが起動した際、バルバトスに捧げた右目が生気を取り戻し、ハシュマルに対して反応しました。
バルバトスは三日月の右目を通して、物事を見ているのでしょうか
2期の一話でバルバトス・ルプスと改名したにも関わらず三日月はバルバトスと呼び方を変えませんでしたし、明らかに前任者の魂が機体に宿っているように思われます。
1期の大気圏突入シーンや刀の使い方などでバルバトスが存在するという演出がありましたが、今回で確信に変わりました。
なぜ厄災ではなく厄祭なのか
それは人口知能という技術を無人戦闘機に授けた人類とそれに対抗する為
阿頼耶識という非人道的なシステムを開発した人類の厄が舞い踊ってる、「天災」ではなく「人災」だったとすれば違和感が解けます。
あとは三日月の罪ですが、これは一期の最終話にてのアインとのやりとり
アイン:「罪深き子供。クランク二尉はお前たちと戦うつもりなどなかった」
三日月:「スラスターのガスは残り僅か」
アイン:「お前たちを救うつもりでいたのに」
三日月:「ガトリングの残弾も・・・」
アイン:「その慈悲深き思いがなぜ伝わらない!?」
三日月:「どっちにしろこれじゃ殺しきれない。あのおっさんは自分で死にたがってたよ」
アイン:「やはり貴様は出来損ない!ネズミ!同じ手を何度も!ゼロ距離なら・・・清廉なる正しき人道を理解しようとしない野蛮な獣!」
三日月:「ぐっ!」
アイン:「なのに!あろうことか、その救いに手を掛け、冷たい墓標の下に引きずり込んだ」
三日月:「単純な速度・・・じゃなく反応速度か。これが阿頼耶識の差ってわけか」
アイン:「もう貴様は救えない。その身にこびりついた罪の穢れは決して救えはしない。貴様もあの女も・・・」
三日月:「・・・!」
アイン:「お前の仲間も!決して!貴様の・・・貴様らの死をもって罪を償う!」
三日月:「罪?救う?それを決めるのはお前じゃないんだよ。おいバルバトス、いいからよこせ、お前の全部」
アイン:「死んであがなえ!な・・・なんだ?今の反応は・・・」
三日月:「まだだ、もっと・・・もっと・・・もっとよこせバルバトス!」
三日月は自分がやっている事を自覚しています。
そしてそれを裁くのはアインではないと言い切ったので、なら何が三日月を裁くのか?
との一期の疑問に対する答えは300年前厄祭戦を引き起こした「天使」の名前を冠する無人兵器でした。
天使が悪魔を裁くという綺麗過ぎる構図。
自分達がそれを掘り起こすという厄もありますし、ヴィダール(ガエリオ)が
マクギリスがそれを利用すると発言した事でイオクが突撃し天使が復活するという厄。
全て過去の自分達が蒔いた種が降りかかってきています。
300年前の再現にはピッタリ。。。
モンターク:「他者の心を掌握しその先の行動を操るのは容易だ。過去をひもとく・・・ただそれだけで対象者がつかむ選択肢の予想は簡単につく。嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱。消えない過去に縛られて輝かしいはずの未来はすべて愚かしい過去の清算のみに消費される。それは私とて同じこと。鉄華団・・・君たちの踏み出す足は前に進んでると思うか?もし本気でそう信じているのなら・・・。見せてくれ私に」
マクギリスは一期で自分の未来に対し愚かな過去の清算のみ消費され、それは自分とて同じ事と悲観的でしたが、鉄華団は目指す居場所に辿り着けるのでしょうか?
最期はバルバトスの魂と三日月の魂が重なり合う気がしてしょうがない・・・
あと推しメンのザック・ロウは土壇場で絶対活躍する。
ターミネーターの様に人口知能が暴走した、という事でしょうか